マンション売却の流れ – 売却前・売却時・売却後のポイントを解説

金利上昇やマンション価格の高騰から、自宅マンションの売却を考えている方も増えています。
しかし、「マンションを売りたいけれど、何をすべきか分からない!」という方は少なくないでしょう。
住まいの売却経験が少ないと、手順ややるべきことが分からず不安になるのも無理はありません。
今回はマンション売却前の準備や売却の流れ、確定申告などを解説します。
目次
マンション売却の流れ
マンション売却は、大きく分けて7つのステップで進みます。
引渡しまでにかかる期間は、概ね3カ月から半年程度です。具体的な流れは以下のとおりです。
マンション売却の流れ7ステップ
それぞれのステップでやるべきことを順番に押さえておけば、初めての売却でも落ち着いて進められます。
1. 売却前の情報収集
実際に売却活動を始める前に、いくつか整理することや下調べをすることがあります。
売却理由や希望条件をまとめる
マンション売却の最初にやるべきことは、売却理由を整理することです。
マンションを売る理由がはっきりしていれば、希望価格や売却時期などの条件も自然と定まります。
例えば、「子どもが大きくなったから、もっと広い家に住み替えたい」「定年を迎えたので田舎暮らしをしたい」など、人によって理由は様々です。
理由を言語化しておけば、不動産会社との打ち合わせもスムーズに進むでしょう。
住宅ローンの残債を確認する
売却理由を整理したら、住宅ローンの残債を確認しましょう。
残債がある場合は、マンションを売却する際に受け取る代金で住宅ローンを完済する必要があります。
残債の金額は、金融機関から毎年送付される「残高証明書」や「返済予定表」で確認できるほか、インターネットバンキングでも照会できる金融機関が増えています。
もし売却代金で完済できなければ、自己資金で補填するか、買い替えであれば住み替えローンを利用することも検討してみましょう。
売却に必要な費用の把握
住宅ローンの残債を確認したら、次に売却手続きに必要な費用を把握します。
売却価格が決定しないと正確な金額は算出できませんが、どんな費用が発生するかを事前に確認しておきましょう。
売却にかかる主な費用は以下のとおりです。
マンション売却にかかる主な費用
- 仲介手数料(不動産会社への成功報酬)
- 印紙代(売買契約書に貼付)
- 抵当権抹消の登記費用(住宅ローンが残っている場合)
- 譲渡所得に対する税金(売却益が出た場合)
- 引っ越し代
- ハウスクリーニング費用
仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が定められています。
売買金額が400万円超の場合、上限額は「売却価格(税抜)×3%+6万円+消費税」で算出されます。
例えば3,000万円でマンションを売却した場合、仲介手数料の上限は税込105.6万円です。
あらかじめ上記の費用感を把握しておけば、手元に残る金額を概ね計算できるでしょう。
出典:国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」
マンションの売却相場を調べる
売却に必要な費用を確認したら、自分のマンションの相場を調べます。
相場を知らずに査定を受けると、不動産会社が提示する価格が妥当かどうか判断できません。
相場の調べ方として、以下のデータを活用する方法が挙げられます。
マンション相場を調べる方法
- 国土交通省の「不動産情報ライブラリ」
- 不動産流通機構の「レインズマーケットインフォメーション」
- ポータルサイトの近隣マンションの売り出し事例
上記を参考に、同じマンション内や近隣の似た条件の物件を3〜5件ほど比較すれば、おおよその相場感がつかめるでしょう。
2. 不動産会社の選定・査定依頼
売却の準備が整えば、不動産会社へ査定を依頼します。
査定価格は不動産仲介会社によって変動するため、査定は1社だけでなく複数社に依頼しましょう。
そうすることで、適正価格が把握でき、信頼できる不動産会社を見極めやすくなります。
依頼する不動産仲介会社の選び方
不動産仲介会社を選ぶ際は、査定価格の高さだけで判断してはいけません。
査定価格が高くても、実際にその価格で売れる保証はないためです。
具体的なチェックポイントは次のとおりです。
不動産仲介会社の選び方
- 売却したいマンションと似たタイプ(単身・ファミリーなど)の取扱実績があるか
- 査定価格の根拠を具体的に説明してくれるか
- 説明がわかりやすく、誠実な対応か
- 地域の取引動向に詳しいか
その他にも、あらかじめホームページの取扱物件や口コミを事前に見ておくと、不動産会社選びの参考になります。
査定を依頼する
査定の依頼方法には、不動産会社へ個別に依頼する方法と、一括査定サイトを利用する方法の2種類があります。
複数社の価格を一度に比較したい場合は、一括査定サイトが便利です。
一方で、地元密着の不動産会社にじっくり相談したい場合は、店舗やホームページから個別に査定を依頼してみましょう。
近所に店舗があったり、チラシや看板などをよく見たりする不動産会社があれば、その地域を得意としている可能性があります。
確実に売れる金額が知りたいという方は、不動産会社に買取の査定価格の提示を依頼することをおすすめします。
机上査定と訪問査定の違い
不動産仲介会社が行う査定には、「机上査定」と「訪問査定」の2種類の方法があります。
机上査定
机上査定は、登記簿謄本や住宅地図等の 外から入手できる資料および周辺の取引事例を参考にしながら行うのが特徴です。
最短1日程度で結果が出ることがありますが、物件を実際に訪問しないため精度は限定的です。
訪問査定
訪問査定とは、不動産仲介会社の営業担当者が実際に物件の状況を見て価格を出す査定のことです。
眺望や日当たり、室内の状態、管理状況など、現地でないとわからない要素も価格に反映されるため、精度が高くなりやすいのが特徴です。
売却を本格的に進めたい場合は、訪問査定を依頼するのがおすすめです。
査定の際に準備する書類
査定をスムーズに進めるために、事前に書類を準備しておきましょう。
下記の書類を準備しておくと、査定する際に物件や住宅ローンの状況を正確に伝えることができます。
査定の際に準備する書類
- 分譲時のパンフレット
- 管理規約・長期修繕計画書
- 住宅ローンの返済予定表または残高証明書
- 登記済証(権利証)または登記識別情報
また、下記の書類がある場合は査定評価が上がる可能性があります。
もし、すでに取得しているものがあれば依頼時に提示しましょう。
査定価格に影響のある書類
- インスペクションの結果報告書
- 建設住宅性能評価
- 瑕疵担保保険の付保証明書
上記は主に所定機関の検査が必要な書類です。
買主に対して安心感を与えるだけでなく、これらの書類が備わっていることで住宅ローン控除の適用となったり、所有権移転登記の登録免許税の減免措置が受けられたりと買主にとって税制的なメリットがあります。
これらの書類によって買主の諸費用が安くなるため、プラスの評価となります。
新築物件を購入した場合や中古物件でも不動産会社が売主となっている物件を購入した場合は、購入時に既に取得している可能性も高いので確認しましょう。
3. 媒介契約の締結
査定結果を比較して依頼先を決めたら、その不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約には3つの種類があり、それぞれ特徴が異なるため、自分の状況に合った契約形態を選びましょう。
媒介契約とは
媒介契約とは、マンションの売却を不動産会社に依頼する際に締結する契約のことです。
媒介契約を結ぶことで、不動産会社は売主に代わって買主を探したり、販売活動を行ったりする権限を持ちます。
媒介契約には、依頼できる不動産会社の数や販売活動の報告義務などの条件が定められています。
3種類の媒介契約の特徴と選び方
媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があります。
それぞれの主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
|---|---|---|---|
| 依頼できる会社数 | 複数社に同時に依頼可能 | 1社のみ | 1社のみ |
| 自己発見取引 | 可能 | 可能 | 不可 |
| レインズへの登録義務 | なし | 契約から7営業日以内 | 契約から5営業日以内 |
| 販売活動の報告義務 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 契約期間の上限 | 制限なし | 3ヶ月以内 | 3ヶ月以内 |
人気エリアや立地や間取りなどの条件が良い物件であれば、複数社に売却を依頼できる一般媒介契約が適しています。
一方、築年数が古い、人気エリアではないなど、じっくり販売活動を任せたい場合は、1社が責任を持って動いてくれる専任媒介契約・専属専任媒介契約がおすすめです。
媒介契約を結ぶ際の注意点
媒介契約を締結する際は、契約後にトラブルや認識のズレが起きないよう事前に、契約期間やサポート内容、仲介手数料などの条件を必ず確認しましょう。
特に確認しておくべきポイントは以下のとおりです。
契約時の確認ポイント
- 契約期間内に売れなければ、更新や他社への切替が可能かどうか
- 広告掲載、内覧対応、報告頻度など販売活動のサポート内容はどうか
- 仲介手数料の支払いタイミング(売買契約時に50%、決済時に50%が一般的)はいつなのか
スムーズにマンション売却ができるよう、複数社の提案を比較し、納得できる条件で契約しましょう。
4. 売却活動の開始
媒介契約を結べば、いよいよ売却活動のスタートです。
売却活動の流れ
売却活動は、主に以下のような流れで進みます。
売却活動の流れ
- 不動産会社が広告活動(チラシ配布・ポータルサイトへの掲載など)を実施する
- 購入希望者からの問い合わせを受け、内覧の対応を行う
- 購入希望者との価格や条件の交渉を進める
- 条件が合意できれば売買契約へ進む
チラシの作成や購入検討者との交渉は、不動産仲介会社が行いますが、内覧対応は売主の役割です。
マンション売却時の内覧については、以下の記事で詳しく解説しています。
必要に応じてハウスクリーニングやリフォームを検討する
内覧での印象を良くするために、必要に応じてハウスクリーニングやリフォームを検討することがあります。
室内が清潔で見栄えが良いと、購入希望者の印象が上がり、成約率が高まるのです。
ただし、リフォームには高額な費用がかかるうえ、必ずしも売却価格に上乗せできるとは限りません。
そのため、一般的にはハウスクリーニングや壁紙の交換程度のリフォームが費用対効果の面でおすすめです。
ハウスクリーニングやリフォームを実施するかどうかは、不動産会社と相談しながら慎重に判断しましょう。
スケジュール合わせた売却活動
売却活動では、販売期間に余裕があるかどうかで価格設定や戦略が変わるため、スケジュールに合わせて柔軟に対応することを心がけてください。
例えば、3ヶ月以内に必ず売却しなければならない場合、想定より早いタイミングで値下げを検討する必要があります。
買主が見つかってから決済・引渡しまでに1〜1.5ヶ月程度かかることがあり、期限ギリギリまで待つと間に合わなくなる恐れがあるためです。
また、広告の掲載開始から時間が経った物件は「売れ残り感」が出て買主に足元を見られやすくなるため、早めの小幅な値下げを段階的に行うほうが、最終的に高く売れる傾向があります。
数十万円や百万円単位の値下げを行うことは勇気が必要ですが、売却準備の際に決めたことを振り返り、冷静に判断しましょう。
販売開始のタイミング
売却期限に余裕がある方は、販売開始のタイミングも検討しましょう。
マンションの購入需要が高まる時期に売り出すと、買主が見つかりやすくなります。
不動産販売数が多くなるのは、1月から3月の年度が変わる前の時期です。
新生活に向けて住まいを探す人が増えるため、購入検討者の数も多くなる傾向にあります。
この時期に合わせて販売を開始すると、内覧の機会も増え、好条件で売却できる可能性が高まるでしょう。
売却が決まらない場合の対処法
売却先が決まらない場合は、依頼する不動産仲介会社の変更や仲介以外の売却方法を検討しましょう。
不動産仲介会社の提示する査定価格は、3ヶ月以内に売れると予想される価格と言われています。
また、仲介会社と締結する媒介契約の契約期間は、3ヶ月が一般的です。
売却期限に余裕がある方も、少なくとも3ヶ月間に1度は依頼先や売出価格を変更する必要がないか検討しましょう。
売却活動の見直しでチェックするべきポイントは以下のとおりです。
売却活動の見直しポイント
- チラシやポータルサイトなどの広告掲載を行っているか
- 他の不動産仲介会社が連れてきた購入検討者の状況を把握しているか
- 売出価格の変更や広告の実施などの改善策を提示してくれるか
不十分だと感じたら、依頼先の不動産会社を変更したり、「買取」に切り替えたりすることも検討してみてください。
買取で早期売却
「買取」は不動産会社が買主となって直接あなたの物件を買い取る方法です。
売却期限が差し迫っている場合や半年以上経過してもなお売却が決まらない場合に有効です。
仲介による売却よりも売却価格は安くなる傾向がありますが、「早期に売却できる」「仲介手数料がかからない」といったメリットがあります。
また、個人の方に敬遠されがちな築年数が古い物件や多くの修繕を必要とする物件では、仲介による売却価格との価格差は小さくなる傾向にあります。
実際に買主となる不動産会社が査定を行う点が、仲介による査定と大きく異なる点です。
5. 不動産売買契約の締結
購入検討者と売買価格や契約・引渡しのスケジュールなどの条件を合意したら、いよいよ売買契約の締結です。
契約にあたり、宅地建物取引士という有資格者から「重要事項説明」を受けることになります。
重要事項説明や売買契約では下記のポイントを確認しましょう。
売買契約時の確認ポイント
売買契約書には、取引に関する内容が記載されています。
署名・捺印する前に、以下のポイントを確認してください。
売買契約時に確認すべき主なポイント
- 物件の概要(所在地・面積・構造など)
- 売買代金と支払いスケジュール
- 引渡しの時期と方法
- 契約解除の条件
- 設備や備品の取り扱い
- 契約不適合責任(欠陥や不具合があった場合の対応)
不明点があればその場で質問し、納得したうえで署名・捺印することを心がけましょう。
契約書は事前に確認する
売買契約書は、できるだけ事前に不動産会社から取り寄せて目を通しておきましょう。
当日その場で初めて契約書を読むと、内容を十分に理解しないまま署名してしまうリスクがあります。
特に解除の条件については注意しましょう。
後述するローン特約のように、契約後でも一定の条件下で契約が白紙となるケースがあります。
解除できる期限が定められているため、その期限が過ぎる前に引越しの準備を進めてしまうと、トラブルにつながる恐れがあります。
ローン特約
- ローン特約
- ローン特約とは、買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合に、売買契約を白紙に戻すことができる特約のことです。
この場合、売主は受領済みの手付金を買主に返還しなければなりません。
手付金を返還できないなどのトラブルを防ぐためにも、ローン特約の期限を契約書で必ず確認し、その期限を過ぎてから引越しなどの準備を始めるようにしましょう。
6. 決済・物件の引渡し
売買契約を締結したら、決済・物件引渡しに向けた準備に入ります。
残金決済・引渡し前に行うこと
引渡し前に、引越しと物件の立会いが必要です。
スケジュールは契約時にあらかじめ決めておきましょう。
具体的にやるべきことは以下のとおりです。
残金決済・引渡し前の手続き
- 引越し:引渡し時には原則として室内を空の状態にします。エアコンなど残す設備がある場合は契約時に書面で取り決めます
- 物件立会い:売主・買主・不動産会社の三者で物件の状態を最終確認します
- 精算額や必要書類の事前確認:固定資産税・都市計画税、管理費・修繕積立金の日割り精算額や、登記に必要な書類を準備します
決済時に支払う費用は、主に以下のとおりです。
決済時に支払う費用
- 仲介手数料の残金
- 抵当権抹消の登記費用
- 住宅ローン繰り上げ返済にかかる費用
費用明細は、不動産会社が事前に作成してくれるため、内容を確認しておきましょう。
決済・引渡し当日の手続き
当日は売主及び買主とそれぞれの仲介会社、登記手続きを行う司法書士が立ち合います。
住宅ローンの借入がある場合は、その担当者も同席します。
買主が住宅ローンを利用する場合は、その銀行で行うことが多いです。
当日の一般的な流れは下記の通りです。

上記の手続きはすべて同時に行う必要があるため、関係者全員が立会いのもとで順番に進めていきます。
後日、司法書士から登記完了の書類が届いて、すべての取引が完了します。
7. 確定申告
マンション売却で利益(譲渡所得)が出た場合や、税金の特例を利用する場合は、売却の翌年に確定申告が必要です。
確定申告が必要なケース
「税金を納める必要がある譲渡所得がプラスの人」または「税金の特例を利用する人」は確定申告が必要です。

確定申告の時期と必要書類
必要な人は、売却した翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告を行います。
確定申告で必要となる主な書類は以下のとおりです。
確定申告で必要となる書類
- 確定申告書(第一表・第二表・第三表)
- 譲渡所得の内訳書
- 売却したマンションの売買契約書(購入時・売却時の両方)
- 取得費・譲渡費用がわかる領収書
- 登記事項証明書
- 本人確認書類とマイナンバーがわかる書類
特例を利用する場合は、追加で住民票や戸籍の附票などが必要になることがあります。
詳しくは国税庁のホームページや税務署で確認しましょう。
譲渡所得の求め方や特例の内容については、下記の記事で解説しています。
ケース別の売却のポイント
マンション売却の理由はさまざまです。スター・マイカの調査では、「買い替え・住み替え」や「現金化」、「資産整理」などが挙がりました。

マンションの売却理由(スター・マイカ調査)
- 買い替え・住み替え(22.3%)
- 現金化(22.0%)
- 資産整理(17.1%)
- 住宅ローンの返済が困難になった(9.4%)
- 相続(8.7%)
- 管理が手間になった(7.0%)
- 市況判断(5.2%)
- 転勤(3.5%)
- 離婚(2.4%)
- その他(2.4%)
つづいて、売却理由の中で特に押さえるべきポイントが多い5つについて解説します。
買い替え・住み替えの場合
買い替えで重要なのは、「購入」と「売却」のスケジュール調整です。
売却を先に行い、購入を後に行うことを売り先行、逆に、購入を先に行い、売却を後に行うことを、買い先行と言います。
ご自身の状況に合わせて、選択しましょう。
売り先行の特徴
- 売却で得た資金を購入資金とすることができるので、経済的なメリットが大きい
- 住みながらの売却となるため売りにくい
- 売却と購入をほぼ同時並行に行う必要があり、スケジュール調整が難しい
買い先行の特徴
- 購入物件をじっくり探すことができる
- 旧居と新居の二重ローンが発生する可能性がある
住宅ローンの返済が困難になったとき
住宅ローンの返済が苦しくなったら、できるだけ早く動き始めましょう。
時間に余裕があるほど、選べる売却方法の選択肢が広がります。
月々の住宅ローンの返済が困難で、売却をしても住宅ローンを完済できない場合は任意売却という売却方法があります。
任意売却では、金融機関と個別に抵当権を外すための条件を交渉し、合意を得たうえで売却する方法です。
金融機関とは、売却時に返済する金額や今後の返済計画を取り決めます。
売却スケジュールに余裕がないと不利な条件でも受けざる負えない状況になってしまいます。
住宅ローンの返済が苦しくなった時には、早めに相談することがポイントです。
不動産を相続する場合
相続したマンションを売却する場合は、相続人全員の合意を早めに得ておきましょう。
共有物件の売却には共有者全員の同意が必要です。
相続を繰り返し、大人数の共有物件となってしまうと、将来的に売却する際に手続きが難航する可能性があります。
相続時に協議し、誰かの単独所有にするか、すぐに売却し現金で財産を分割することがおすすめです。
相続物件を売却するポイント
売却の流れ自体に通常の売却と大きな違いはありません。
しかし、売却には共有者全員、すなわちその不動産の相続人全員の同意が必要な点に注意が必要です。
購入希望者より価格交渉があった場合に応じるか否かの判断に時間を要する可能性もあります。
悩んでいるうちに購入希望者を逃してしまうということにもなりかねません。
売却活動をする前に、お互いの意見をすり合わせておくことがポイントです。
また、不動産会社が直接買主となる「買取」という売却方法もおすすめです。
相続については下記記事で解説しています。
転勤する場合
転勤が決まった場合の持ち家の対応としては、下記の3つの選択肢があります。
転勤する場合の持ち家
- 売却する
- 賃貸物件として貸す
- 空室の状態で所有しておく
売却した場合の売却価格の査定と貸す場合の賃料査定の両方を不動産会社に依頼し、対応を検討しましょう。
判断する際に重要視すべき点は、「将来戻ってくる可能性」と「家を空ける期間の長さ」です。
戻ってくる可能性が高い場合
賃料査定をリロケーションサービスを提供している不動産会社にも依頼しましょう。
リロケーションサービスでは、期間を決めて貸します。
賃借人は、定期借家契約という契約をします。
一般的な賃貸契約である普通借家契約では契約期間満了後に契約期間が更新されます。
貸主は、正当な事由が無い限りこの更新を拒むことができません。
一方、定期借家契約では契約期間満了により契約が終了します。
双方合意の上、再度契約することで賃貸期間を延長することができますが、貸主から再契約を拒むこともできます。
リロケーションでは賃料が低くなりがちであるというデメリットがありますが、期間が短ければ影響は小さいです。
戻ってくる可能性が低い場合
まずは、売却価格と賃料の査定を比較し検討する点は変わりません。
しかし、賃貸での運用を検討する場合には、その運用の手間や将来的な資産価値の低下リスクがある点も考慮することが必要です。
離婚による売却
離婚に伴うマンションの対応は、離婚後の居住地と名義人によって変わります。
結婚後に夫婦で取得した不動産は財産分与の対象となるため、扱いを慎重に決める必要があります。
離婚後に現在住んでいる家を引っ越す予定の場合
このケースの主な選択肢は、売却するか、賃貸物件として運用し賃料収入を得るかの2つです。
持ち家に限った話ではありませんが、結婚してから夫婦が協力して取得した財産については、財産分与の対象になります。
不動産は現金のように簡単に分割することができません。
財産分与の対象となる場合は、現金化することで財産分与が簡易になりますので売却がおすすめです。
賃貸に出す場合は、住宅ローンの取り扱いを確認しましょう。
住宅ローンの借入がある不動産を賃貸にだすことは借入先の金融機関の承諾が必要です。
多くの場合、不動産投資ローンへの借り換えを求められます。
夫婦どちらかが離婚後も現在の家に居住する場合
所有者である不動産の名義人かつ住宅ローンの契約者が引き続き居住する場合は問題ありません。
不動産の名義人ではない側が引き続き居住を望む場合の対応方法として、リースバックという売却方法があります。
リースバックとは、持ち家を不動産会社に売却し、そのまま賃貸として住み続けることができる方法です。
離婚時のように、所有者と売却後に賃貸で居住する人が同じ人でなくてもリースバックは利用できます。
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約1年間、仲介で売却活動を行っていましたが、買い手が見つからず、買取査定を依頼しました。施設入居までの期間が迫っており、早期売却を希望したところ一括決済を提案していただき、スピード感をもって売却することができました。※一括決済とは、不動産売買において、契約から所有権移転登記までを一度に完了させる決済方法です。
転職による住み替え
誠実な価格提示
地方へ転職するため住み替えで自宅の売却を検討し、買取の査定を依頼しました。依頼した際には、住み替え先の内覧や他社からの査定金額の提示など、さまざまな状況がありましたが、貴社は柔軟に対応してくださり、大変助かりました。金額も駆け引きなしで納得のいく金額を提示していただき、気持ちよく売却することができました。
事業の清算
築古物件も積極買取
長年にわたり事務所として利用してきましたが、事業を廃業することになったため、売却活動を開始しました。昭和築の古い物件であったため、他社の査定金額は思うように伸びなかったのですが、スター・マイカでは納得のいく金額を提示していただけました。上場企業ということもあり、すぐに現金化することができ、大変助かりました。
マンション売却の流れについてよくある質問
最後に、マンション売却の流れについてよく寄せられる質問をまとめました。
Q1. マンション売却にはどのくらいの期間がかかりますか?
マンション売却には、平均で3ヶ月から半年程度の期間がかかります。
公益財団法人東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」によると、首都圏の中古マンションの平均販売期間は約3ヶ月(82.5日)というデータがあります。
ただし、この期間は売却価格や物件の条件、販売を始める時期によって変わります。
早く現金化したい場合は、買取で売却すれば、最短数日〜数週間程度で売却を完了することができるでしょう。
Q2. マンション売却時にかかる費用にはどんなものがありますか?
マンション売却時の主な費用と目安金額は次のとおります。
- 仲介手数料:売却価格×3%+6万円+消費税(売却価格400万円超の場合の上限)
- 印紙代:売買契約書に貼付する印紙代。売却価格に応じて1万円〜6万円程度
- 抵当権抹消費用:登録免許税(不動産1個につき1,000円)+司法書士報酬(1万〜2万円程度)
- 譲渡所得税:売却益が出た場合のみ。所有期間や控除特例の有無で税額が変わる
事前にどの費用がいくら発生するかを把握しておけば、資金計画が立てやすくなるでしょう。
Q3. 住宅ローンが残っていてもマンションは売却できますか?
住宅ローンが残っていてもマンションを売却することは可能です。
ただし、原則として売却時に住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。
売却代金で完済できる場合は問題ありませんが、完済できない場合は、自己資金で不足分を補填するか、買い替えであれば住み替えローンを活用する方法があります。
それでも完済が難しい場合は、金融機関と交渉して抵当権を外してもらう「任意売却」という手段を検討します。
Q4. 「仲介」と「買取」の違いは何ですか?
仲介と買取の最大の違いは、買主が誰になるかという点です。
仲介は不動産会社が個人の買主を探して取引を成立させる方法で、買取は不動産会社が直接買主となって物件を買い取る方法です。
仲介は市場価格に近い価格で売れる可能性が高い一方、買主が見つかるまで数ヶ月以上かかることがあります。
一方、買取は売却価格が仲介より安くなる傾向にありますが、最短数日〜数週間で売却が完了し、仲介手数料もかかりません。
築年数が古い物件や、早く現金化したい場合は買取がおすすめです。
まとめ
この記事では、マンション売却の流れを7つのステップに分けて解説しました。
大切な資産であるマンションを後悔することなく手放し、次の新しい生活につなげていくには、やるべきことがたくさんあります。
また、3ヶ月以上経っても売却が決まらない場合は、販売戦略を見直すサインです。
状況に応じて仲介から買取へ切り替えるなど、柔軟な対応を検討してみましょう。
この記事の執筆者

竹内 英二Eiji Takeuchi
株式会社グロープロフィット 代表取締役。大阪大学出身。
不動産鑑定士、中小企業診断士、公認不動産コンサルティングマスター等、多数の高度な資格を有する。不動産鑑定業を軸に、土地活用や賃貸借、相続対策など年間多くの相談に応じている。実務経験に基づいた信頼性の高いWebライティングを手掛けている。
この記事の監修者

杉山 明熙Meiki Sugiyama
元不動産営業のWEBライター。不動産営業を12年間経験し店長、営業部長として、売買仲介、賃貸仲介、新築戸建販売、賃貸管理、売却査定等、あらゆる業務に精通。現在は不動産に関するノウハウや不動産投資のハウツー、まちづくりに関する行政・企業の取り組みを紹介する記事を執筆している。
URILABOの運営者

スター・マイカ株式会社
“作る”から“活かす”社会の実現をめざし、リノベーション中古マンションを販売する会社です。オーナーチェンジ物件の買い取りを得意とし、常時約4,000戸保有しています。不動産のプロとして「納得のいく不動産売却」のための情報を発信しています。
スター・マイカ株式会社 宅地建物取引業者免許 国土交通大臣(03)第8237号
当社は、東証プライム上場のスター・マイカ・ホールディングス株式会社のグループ企業です
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