マンションを相続したときの手続きと生前に必要な相続対策を解説

相続は、誰にでも発生します。
しかし、何度も経験する人は少なく、どのように対応すればよいか分かっている人は多くはありません。
マンションを相続した相続人は、いくつかの手続きが必要になります。
全体の流れを知っていることで、相続が発生したときも落ち着いて対応できます。
この記事では、マンションの相続後の手続きを、流れにそってご説明していきます。
一方で、相続が発生する前に、必要な相続対策もあります。
相続の流れを理解した後に、マンションの所有者が検討すべき相続対策についても確認しましょう。
目次
マンションを相続した時の手続きの流れ
マンションを相続した場合、一般的には以下の流れで対応します。
1. 法定相続人と法定相続分を知る
相続では、最初に誰が相続対象となるのかを知ることが必要です。
民法では、相続人になることができる順序が決められています。
遺産分割の割合の目安となる法定相続分も重要です。
相続順位に従って、法定相続人と法定相続分の確認をしていきましょう。
- 法定相続分
- 法定相続分とは、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の取り分について法律で定めたものです。そのため、協議する際の目安としても扱われます。
ここでは、法定相続人の相続順位と、それぞれの法定相続分についてご説明します。
第1順位・配偶者と子
相続人になる優先度が最も高い人を第1順位と言います。
第1順位は配偶者と子です。
第1順位の配偶者と子は、原則相続人となり、法定相続分は配偶者と子供で1/2ずつとなります。
子が先に亡くなっている場合は、相続代襲相続となり孫やひ孫が相続します。
- 代襲相続
- 代襲相続とは、被相続人より先に相続人が亡くなっている場合に、その子や孫が相続財産を受け継ぐことをいいます。
子がすでに死亡している場合には、子に変わって孫が相続し、孫がすでに死亡している場合は、孫に変わってひ孫が相続します。
図で確認してみましょう。
このケースでは、配偶者と二人の子のうち一人が相続発生時に既に死亡しています。
まずは、存命の子が相続します。法定相続分は、1/2となります。
既に死亡している子の分は代襲相続となり、孫が相続します。
孫は二人いるので法定相続分は1/2の半分、つまり1/4となります。
第2順位・直系尊属
次に優先順位が高いのは、直系尊属です。
- 直系尊属
- 曽祖父母、祖父母、親、子、孫、曽孫などタテの血縁関係のうち、自分より上の世代のこと指します。
曽祖父母、祖父母、親などが該当します。
被相続人に子や孫がいない場合、被相続人の直系尊属が相続人になります。
法定相続人が配偶者と直系尊属の場合、法定存続分は、配偶者が2/3、直系尊属が1/3になります。
直系尊属は、被相続人と血縁的に一番近い人が相続人です。
親が健在の場合には親のみが相続人となり、祖父母は両親双方がすでに死亡しているときにはじめて相続人となります。
下図のケースでは、オレンジで囲まれた人が相続人です。

配偶者がすでに死亡しており、被相続人に第1順位である子がいないため、この場合は親が相続します。
また、父親は既に死亡しているので、相続人は母親一人になります。
第3順位・兄弟姉妹
相続人になる優先順位が最も低いのが、第3順位の兄弟姉妹です。
被相続人に子や孫、または直系尊属がいない場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。
法定相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合の法定相続分は、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4になります。
兄弟姉妹がすでに死亡しており、その兄弟姉妹に子(被相続人の甥や姪)がいる場合には、その子が兄弟姉妹に変わって代襲相続します。
下図のケースでは、オレンジで囲まれた人が相続人です。
配偶者がすでに死亡しており、被相続人に子及び親などの直系尊属がいないため、この場合は兄弟姉妹が相続人となります。

まずは、姉が相続人となります。
次に、兄は既に死亡していますが、被相続人の姪(兄の子)がいるため代襲相続となり、その姪が相続します。
法定相続分は、姉と姪ともに1/2ずつとなります。
最後に、配偶者以外の親族に対して相続人となる順位と、法定相続人と法定相続分の関係をまとめると以下の通りです。
| 順位 | 親族 |
|---|---|
| 第1順位 | 子またはその代襲相続人(孫) |
| 第2順位 | 直系尊属(父母) |
| 第3順位 | 兄弟姉妹又はその代襲相続人(甥・姪) |
| 法定相続人 | 法定相続分 |
|---|---|
| 配偶者と子供の場合 | 配偶者1/2、子供1/2 |
| 配偶者と直系尊属 | 配偶者2/3、直系尊属1/3 |
| 配偶者と兄弟姉妹の場合 | 配偶者3/4、兄弟姉妹1/4 |
相続が発生したら、まずは法定相続人が誰かを把握するようにしてください。
2. 相続税の発生の有無を知る
相続税は、遺産の総額が基礎控除額を超えた場合にのみ課税されます。
現金や不動産等のすべての相続財産を合算しても基礎控除額を超えなければ、相続税は発生しません。
- 基礎控除額
- 基礎控除額とは、所得税や住民税の計算をする際に、納税者の所得から一律で差し引かれる金額のことです。
基礎控除額の計算式は以下の通りです。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
国税庁の発表によると、令和6年(2024年)に相続税の課税対象となった人は、被相続人全体の10.4%でした。

出典:国税庁「令和6年分相続税の申告事績の概要」
課税割合が10%を超えたのは初めてであるものの、依然として約9割の方は相続税が発生していません。
ただし、地価や株価の上昇にともない課税対象者は年々増加傾向にあるため、自身の財産が基礎控除額を超えるかどうかは早めに確認しておきましょう。
3. 遺言書を探す
遺言書があるか確認します。
遺言書とは、被相続人が遺産の分割方法などを定めた書類です。
遺言書が残っている場合には、財産の分け方は遺言書に従うことになりますので、重要です。
遺言書は、マンション等の不動産の登記名義人を変更する際にも必要な書類です。
4. 相続放棄を検討する
相続放棄をする場合は、家庭裁判所に「相続放棄の申述」を申し立てる必要があります。
相続放棄とは、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産(借金など)も含め、相続の権利をすべて放棄する手続きです。
相続放棄は、借金がプラスの財産額よりも多い場合に行うことが一般的です。
相続放棄は、「相続の開始を知ったときから3ヶ月以内」に申請する必要があります。期間内に多くの必要書類を揃えて、裁判所に相続放棄の申述書を提出しなければなりません。
そのため、相続放棄するか否かは早めに判断する必要があります。
5. 遺産分割協議を行う
遺言がない場合や、遺言の内容に不服がある場合は、遺産分割協議を行います。
遺言が被相続人の意思で遺産の分割方法を決める方式に対し、遺産分割協議とは、相続人の意思で遺産の分割方法を決める方式です。

遺産分割協議を成立させるには相続人の全員の同意が必要です。
遺産分割協議が成立したら、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書も不動産の登記名義人を変えるための必要書類です。
遺言書がない場合、誰か特定の人に不動産の名義を変えたい場合には遺産分割協議書が必要となります。
遺言もなく、かつ、遺産分割協議を行わない場合は、財産は相続人の共有状態のままということです。
共有状態のままだと、放置している間に共有者のうちの誰かが亡くなり、再び相続が発生する可能性があります。
相続を重ねるうちに共有者がどんどん膨れ上がってしまい、把握できなくなってしまうケースは少なくありません。
不動産は可能な限り誰かの単独所有がおすすめ
共有物件の売却には共有者全員の同意が必要です。
多人数の共有物件となってしまうと、将来的に売却する際に手続きが難航する可能性があります。
そのため、不動産は可能な限り誰かの単独所有をおすすめします。
また、誰も利用しないのであれば、売却をすることもおすすめです。
現金にすることで、分割も簡易になります。
その場合は、不動産会社の直接買取を利用するのが良いでしょう。
一般的な仲介による売却では、売却価格を高くできる可能性がありますが、売却が決まるまでどのくらいの期間がかかるか分かりません。
直接買取であれば、相続発生後に短期間での現金化が期待できます。
不動産会社が直接買取なので、案内の対応がなく、遠隔地とのやりとりもスムーズです。
相続にかかる他の手続きともタイミングを合わせることができます。
6. 相続税の納税を行う
相続税が発生する場合は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に、税務署へ申告・納税しなければなりません。
相続税は原則、現金で一括納付します。
期限を過ぎると延滞税や加算税が発生するため、期限内に申告・納税できるよう計画的に準備を進めましょう。
納税するための資金確保が難しい場合は、延納や物納などの制度もあるため、早めに税理士や税務署に相談するのがおすすめです。
ここまでが、相続したときに必要な手続きになります。
マンションの相続登記を行う方法
マンションを相続したら、登記簿上の名義を変更する相続登記の手続きが必要です。
- 相続登記
- 不動産の登記簿に記載されている所有者の名義を、亡くなった被相続人から相続人へ変更する手続きのこと。
マンションの所有者が亡くなっても、登記簿上の名義は自動的には変わらず、相続人が法務局に申請して、初めて名義が変更されます。
相続登記をしないまま放置すると、登記簿上は亡くなった方の名義が残り続けるため、将来マンションを売却したり、担保に入れて融資を受けたりできなくなります。
相続登記の義務化と期限
2024年4月1日から、相続登記が法律で義務化されました。
相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請を行わなければなりません。
正当な理由なくこの期限を過ぎてしまった場合には、10万円以下の過料が科される恐れがあります。
義務化の対象は2024年4月1日以降に発生した相続だけではなく、それ以前に発生した相続で未登記のものも含まれます。
そのため、過去に相続したまま名義変更をしていないマンションがある場合は、早めに手続きを進めましょう。
出典:法務省「相続登記の申請義務化特設ページ」
相続登記に必要な書類
相続登記の申請には、主に以下の必要書類を揃える必要があります。
被相続人
- 出生から死亡までの戸籍謄本一式
- 住民票の除票
相続人
- 相続人全員の現在の戸籍謄本
- 不動産を取得する相続人の住民票
- 対象マンションの固定資産評価証明書
遺産の分割方法に関する書類
- 遺言書(残されている場合)
- 遺産分割協議書(遺産分割協議で決めた場合)
- 相続人全員の印鑑証明書
対象マンションの固定資産評価証明書は、登録免許税の計算に使用するため、最新年度のものを市区町村の窓口で取得してください。
書類の準備に不安がある場合は、司法書士に相談しましょう。
マンションを共有名義で相続するリスクとは?
マンションを複数の相続人で共有名義にすると、将来さまざまなトラブルにつながる恐れがあります。
ここでは、共有名義で相続する場合のリスクを4つ解説します。
1. 売却やリフォームに共有者全員の同意が必要になる
共有名義のマンションを売却するには、共有者全員の同意が必要なため、1人でも反対する人がいれば、売却の手続きを進められません。
大規模なリフォームや建て替えについても同様で、共有者全員の合意がなければ進められない決まりになっています。
特に、共有者が遠方に住んでいたり、関係が疎遠になっていたりすると、話し合いの場を設けるだけでも時間がかかります。
共有者の数が多いほど意思決定に時間がかかり、売却や活用の好機を逃してしまうことも考えられるでしょう。
マンションをスムーズに活用するためにも、可能な限り単独名義での相続を検討するのがおすすめです。
2. 持分だけでは活用が難しい
共有名義の場合、法律上は自分の持分だけを第三者に売却したり、担保に入れたりすることは認められています。
しかし、マンションの1室の持分のみを購入したいという買主はほとんどいないのが実情です。
持分だけでは物件を自由に使用できず、他の共有者との調整も必要になるため、市場での需要が限られるのです。
持分のみの売却を専門に扱う不動産会社も存在しますが、通常の売却相場よりも低い価格での取引になるのが一般的です。
担保としての価値も低く評価されるため、金融機関から融資を受ける際にも不利になるでしょう。
このように、持分だけを保有していても現実的には活用の幅が狭く、資産としてのメリットを十分に発揮できません。
3. 次の相続で共有者がさらに増える
共有名義のまま放置していると、次の相続が発生した際に共有者の人数がさらに増えていきます。
共有者の1人が亡くなると、その持分はさらにその相続人へ引き継がれます。
相続が繰り返されるたびに共有者が共有関係が複雑化し、売却等の合意形成がより困難になることが考えられます。
共有者が増えれば増えるほど、全員の連絡先を把握することが難しくなり、売却や活用に必要な合意形成のハードルも上がります。
最終的には、活用や処分が難しくなるリスクが高まります。
4. 固定資産税や管理費の負担でトラブルになりやすい
共有名義のマンションを所有していると、固定資産税や管理費・修繕積立金の負担をめぐってトラブルが起きやすくなります。
本来、上記の費用は持分割合に応じて共有者全員で負担するのが原則です。
しかし、実際には「自分は住んでいないから払いたくない」と主張する人が現れ、費用負担の合意が得られないケースがよく見られます。
もし共有者の1人が費用を滞納した場合、他の共有者が立て替えざるを得ない状況になることも考えられるでしょう。
誰でも必要となるマンションの相続対策
相続税は10%の人にしか発生しませんが、相続そのものは誰でも発生します。
そのため、相続税以外の相続対策は誰にとっても必要です。
この章では、誰でも必要となるマンションの相続対策について2つご説明します。
誰でも必要となるマンションの相続対策
遺言書を残しておく
相続トラブルを防ぐうえで有効な対策の1つが、遺言書を作成しておくことです。
遺言書がないと、相続人は遺産分割協議によって財産を分割することになります。
遺産分割協議を成立させるには相続人全員の同意が必要であるため、1人でも反対者がいると遺産分割協議がまとまらなくなります。
また、遺産分割協議書は作成を専門家に依頼する場合、その費用は遺産総額の0.5%~1%が相場です。
1億円の財産の1%だとしたら100万円ほどになる場合があります。
一方で、遺言書であれば、司法書士に頼むと7万円~15万円程度で作成してくれます。
公正証書遺言を作る場合、公証役場に支払う費用も資産が5,000万円~1億円の間なら4万円~5万円です。
費用も安く、揉める原因もなくなるため、遺言書の存在はとても重要といえます。
遺言書を作成しておくメリットは以下のとおりです。
- 相続人同士の争いを未然に防げる
- 遺産分割協議書の作成費用を節約できる
- 相続登記の手続きがスムーズになる
費用面でも手続き面でもメリットが大きいため、元気なうちに遺言書を準備しておきましょう。
購入時の売買契約書を残しておく
相続税対策として、マンション購入時の売買契約書は必ず保管しておきましょう。
マンションを売却する際に、購入時の売買契約書が残っておらず購入額がわからないと、売却時の税金が高くなる可能性があります。
マンション売却では、譲渡所得に対して税金が生じます。
譲渡所得を算出するために、そのマンションの取得費が必要になります。
算出方法をご説明します。
- 譲渡所得
- 譲渡所得とは、所有している土地、建物などを売って得た利益のことです。
譲渡所得の計算式は以下の通りです。
譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用
譲渡価額とは売却価額です。
譲渡費用は、仲介手数料や印紙税等の売却に要した費用のことです。
取得費とは、土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した価額になります。
- 減価償却費
- 減価償却費とは、長期にわたって使用する固定資産について、時間の経過に合わせて費用として計上していく費用のことです。
ここで、購入時の売買契約書が残っていない場合、取得費がわからないことになります。
取得費が不明の場合には、概算取得費というものを用います。
概算取得費とは、「譲渡価額の5%」で計算されます。
概算取得費を用いてしまうと譲渡所得が大きくなり、その結果、売却時の税金も高くなってしまうのです。
将来の売却に備えて、購入時の売買契約書の保管場所を相続人に伝えておくようにしましょう。
相続税が発生する人に必要な2つの相続対策
相続税が発生する方に必要な対策は、「節税対策」と「納税対策」の2つです。
節税対策で相続税額そのものを減らし、納税対策で相続人がスムーズに税金を支払えるよう準備します。
節税対策
節税対策の基本は、相続財産の評価額を下げることです。
評価額を下げる方法としては、主に「賃貸不動産を保有する」「生前贈与を活用する」の2つがあります。
相続税や贈与税を計算する際に基準となる相続税評価額は、現金の場合、額面額がそのまま相続税評価額となります。
それに対して、不動産は、土地は相続税路線価、建物は固定資産税評価額をもとに計算しますので、時価よりも安いことが一般的です。
よって、現金よりも不動産を持つことの方が相続税対策となります。
不動産は他人に貸すことで、さらに相続税評価額が下がります。
そのため、不要なマンションであれば、売却して現金にするのではなく、他人に貸した方が相続税評価額は低くなり、節税対策となります。
一方で、現在住んでいるマンションだと、他人に貸すことができません。
その場合、例えば現金等の他の資産を子供に贈与することで財産を減らすことができます。
ただし、過度な節税目的でのマンション購入は、国税庁から否認される恐れがあります。
2022年の最高裁判決では、相続税の節税を目的としたマンション購入に対し、路線価等に基づく評価ではなく、不動産鑑定による時価での評価が認められました。
節税対策を検討する際は、税理士に相談したうえで適切な範囲で行いましょう。
納税対策
納税対策とは、相続人が相続税を支払うための現金を確保する対策です。
相続税は現金での一括納付が原則のため、不動産だけを相続してしまうと、相続人が自らの貯蓄から納税しなければなりません。
一方で、相続人が現金を相続した場合には、相続した現金の中から税金を払えば良いことになります。
納税の負担感を考えれば、相続人は不動産を引き継ぐよりも現金を引き継いだ方が負担感は軽いのです。
被相続人の財産構成は、納税対策としては現金が多い方が良いですが、節税対策としては不動産が多い方が良いことになります。
現金と不動産は相反する性質を持つため、相続対策では節税対策と納税対策をバランス良く行うことが必要です。
暦年贈与による現金の贈与
暦年贈与の場合、受贈者1人あたりの非課税枠が1年で110万円とされています。
よって現金を毎年110万円ずつ相続人に贈与しておくと、贈与税が非課税のまま相続人に現金が溜まっていくのです。
相続人に納税用の現金が貯まっていくため、現金贈与は納税対策として効果があります。
ただし、2024年1月以降の贈与から、相続開始前の贈与財産を相続財産に加算する期間が段階的に3年から7年に延長されています。
延長された4年間分の贈与のうち合計100万円までは加算対象から除外されますが、早めに贈与を始めることがより有効な対策となるでしょう。
出典:国税庁「No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」
生前贈与によるマンションの贈与
他人に貸したマンションであれば、相続人に生前贈与することも納税対策としての効果があります。
賃貸マンションを相続人に贈与すれば、相続人が賃料収入を得ることができるため、早めに納税用の現金が蓄積されます。
しかも、賃貸マンションを贈与してしまえば、その分、被相続人の財産を減らすことができるため、同時に節税対策にもなるのです。
相続したマンションの活用方法は?
そのまま住む
相続したマンションにそのまま住み続ける場合は、相続登記のほか、主に次の手続きが必要です。
・管理費や修繕積立金の引き落とし口座の変更
・火災保険の名義切り替え
・光熱費の契約名義変更
被相続人の住宅ローンが残っている場合、団体信用生命保険に加入していれば、被相続人の死亡によってローンの残債は保険で完済されます。
しかし、団体信用生命保険に加入していない場合は、相続人がローンの返済を引き継ぐことになるため、早めに返済計画を立てておきましょう。
賃貸に出す
相続したマンションに住む予定がない場合は、賃貸に出して家賃収入を得る方法があります。
毎月の家賃収入が手に入るため、固定資産税や管理費などの維持費を賄いながら、安定した収入源を確保できます。
マンションを手放さずに資産として保有し続けられる点もメリットといえるでしょう。
一方で、入居者が見つからない期間は収入がなく、維持費だけがかかり続けます。
入居者の募集や建物の修繕などの手間も発生するほか、管理会社に管理を委託する場合はその費用も考慮しなければなりません。
賃貸経営にはメリットとデメリットの両面があるため、立地や築年数から賃貸需要を見極めたうえで活用を判断しましょう。
売却する
相続したマンションを売却すれば、不動産を現金化できるため、相続人同士で遺産を公平に分けやすくなります。
さらに、固定資産税や管理費などの維持費の負担がなくなる点もメリットです。
遠方にあるマンションや、誰も住む予定のないマンションであれば、売却を検討してみましょう。
また、相続したマンションを売却する際は、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例が適用される可能性があります。
特例の適用には期限や条件があるため、早めに税理士や税務署へ相談するのがおすすめです。
出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
相続マンションの売却はスター・マイカへ
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マンションの相続手続きに関するよくある質問
Q1. マンションを相続したら名義変更(相続登記)をいつまでにする必要がありますか?
相続によってマンションを取得したことを知った日から、3年以内に相続登記を申請しなければなりません。
2024年4月1日の法改正により、相続登記は法律上の義務となりました。
正当な理由なく期限を過ぎた場合には、10万円以下の過料が科される可能性があります。
期限内に遺産分割協議がまとまらない場合、「相続人申告登記」を利用しましょう。
ただし、正式な名義変更ではないため、遺産分割が確定した後に改めて相続登記の申請が必要です。
Q2. 相続放棄をしたらマンションの管理責任はなくなりますか?
相続放棄をしても、マンションの管理責任がすぐになくなるわけではありません。
民法第940条によると、相続放棄をした人は、次に管理する権利をもつ相続人に引き渡すまでの間、その財産を適切に管理する義務を負うとされています。
他に相続人がいない場合や、全員が相続放棄をした場合は、家庭裁判所に「相続財産清算人」の選任を申し立てて代理人を専任する必要があります。
管理を怠ったことでマンションが劣化し、外壁の落下などで通行人にけがをさせた場合は、損害賠償を請求される恐れもあります。
Q3. 遺産分割協議がまとまらない場合はどうすればいいですか?
相続人同士の話し合いで合意に至らない場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることが可能です。
遺産分割調停では、裁判官と調停委員が間に入り、各相続人の意見を聞きながら解決策を探ります。
調停でも合意できなかった場合は「遺産分割審判」に移行し、裁判官が分割方法を決定します。
審判の結果には法的拘束力があり、相続人全員がその内容に従わなければなりません。
ただし、調停や審判には時間がかかるため、当事者だけで話し合いがまとまらない場合は弁護士に相談して、協議による解決を図るのがおすすめです。
Q4. マンションを相続したら固定資産税や管理費は誰が払いますか?
固定資産税や管理費・修繕積立金は、原則としてマンションを相続した人が負担します。
遺産分割協議が済んでいない段階では、法定相続分に応じて相続人全員が連帯して負担する義務を負います。
固定資産税の納税通知書は登記簿上の名義人や代表者に届くため、相続人間であらかじめ負担割合を取り決めておくとよいでしょう。
まとめ
マンションの相続では、相続登記や相続税の申告など、期限のある手続きが複数あります。
全体の流れを把握したうえで、計画的に進めていきましょう。
誰でも必要となるマンションの相続対策としては、遺言書を残しておくことと、購入時の売買契約書を残しておくことがありました。
また、相続税が発生する人に必要な相続対策は、節税対策と納税対策です。
相続の対策に関しては、生前に準備しておくことができますので、親子で話し合っておくのがおすすめです。
この記事の執筆者

杉山 明熙Meiki Sugiyama
元不動産営業のWEBライター。
不動産営業を12年間経験し店長、営業部長として、売買仲介、賃貸仲介、新築戸建販売、賃貸管理、売却査定等、あらゆる業務に精通。
現在は不動産に関するノウハウや不動産投資のハウツー、まちづくりに関する行政・企業の取り組みを紹介する記事を執筆している。
URILABOの運営者

スター・マイカ株式会社
“作る”から“活かす”社会の実現をめざし、リノベーション中古マンションを販売する会社です。オーナーチェンジ物件の買い取りを得意とし、常時約4,000戸保有しています。不動産のプロとして「納得のいく不動産売却」のための情報を発信しています。
スター・マイカ株式会社 宅地建物取引業者免許 国土交通大臣(03)第8237号
当社は、東証プライム上場のスター・マイカ・ホールディングス株式会社のグループ企業です
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