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不動産売却

不動産買取の相場が市場価格より安い4つの理由

不動産買取の相場が市場価格より安い4つの理由

近年は全体的にオブラートに包んだ表現を求められる傾向があるため、不動産買取の説明を読んでも価格が安くなる理由がわからないことも多いです。

買取は不動産会社が転売を目的に下取り価格で購入しますが、このようなストレートな表現は昨今では好まれません。

オブラートに包み過ぎた結果、不動産買取のことを十分に理解しきれない人も多いのではないのでしょうか。そこで今回の記事では「不動産買取の相場が仲介相場より安い4つの理由」について解説します。

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不動産買取とは?なぜ利用する人がいるのか

不動産買取とは
不動産買取とは、転売を目的とした不動産会社への売却のことです。

買取は価格が安くなるというデメリットはありますが、すぐに売却できるというメリットがあります。

仲介で売却した場合、一般的に4~6ヶ月程度の時間がかかりますが、買取であれば1週間~1ヶ月程度で売却することができます。

すぐに売らなければいけないという事情がある人は、買取を利用することが多いです。

また、買取は事故物件等の売却しにくい物件でも、売却できるというメリットがあります。

仲介で売却することが難しい物件を持っている人も、買取を利用することが多いです。

不動産買取については、以下の記事で詳しく解説しています。

次に不動産買取の相場が仲介相場より安い4つの理由について見ていきましょう。

不動産買取の相場が仲介相場より安い4つの理由

不動産買取の基本的な仕組みは、中古車や中古ピアノの買取と全く同じ構造です。

ディーラーに中古車を売った経験のある人は、自分の手放した車が店頭で下取り価格よりも高く売りに出されているのを見たことがある人もいると思います。

ディーラーは、中古車を売り出し価格と同じ値段で買っていたら商売になりません。

中古車の修理代と販売利益を確保できる金額で購入しないと儲からないといえます。

店頭で販売されている中古車の価格は、下取り価格に修理代や転売利益が上乗せされた価格であるため、下取り価格は売り出し価格よりも安くなっているのです。

不動産の買取の場合、ディーラーが売りに出している価格は仲介で売ったときの価格に相当します。仲介で売ったときの価格は、市場価格と呼ばれる価格です。

不動産会社は、下取り価格に修理代や転売利益を上乗せして仲介の価格(市場価格)で売っています。

よって、買取による売却価格(下取り価格)は、仲介で売るときの価格よりも当然に安くなるのです。

以下に売却価格が安くなる4つの理由を解説します。

売却価格が安くなる4つの理由

  1. 不動産買取会社の利益を上乗せするため
  2. 物件によっては修繕・リノベーション費用がかかるため
  3. 不動産買取会社が買取で一定のリスクを負うため
  4. 不動産買取では仲介手数料が発生しないため

不動産買取会社の利益を上乗せするため

買取では、不動産会社は転売利益を確保するために安く購入する必要があります。

不動産会社が買取で得ようとする利益率は、売却価格の10%程度が目安です。

そのため、例えば購入後に不動産会社が全く手を加えずにすぐに転売できるような物件であれば、仲介の相場の90%程度で売れることもあります。

逆にいえば、買取で仲介の相場の90%以上で売ることは難しいです。

どんなに優良物件でも1割程度の価格ダウンは、想定される範囲内といえます。

物件によっては修繕・リノベーション費用がかかるため

買取は、通常、買い取った不動産会社が修繕やリノベーションを行います。

修繕等の費用は、一般的には物件価格の1~2割程度を見込んでいることが通常です。

転売益1割と修繕費用の1~2割を差し引くと、買取の価格は仲介の価格の7~8割程度ということになります。

修繕費用は物件によって異なります。

築年数の新しい物件であればほとんど発生せず、築年数の古い物件では多く発生します。

物件によっては修繕費用等が物件価格の4割程度となってしまい、買取の価格が仲介の価格の5割程度となってしまうこともあるのです。

不動産会社が買い取った不動産を修繕するのには、理由があります。

不動産会社は、法的に契約不適合責任と呼ばれる売主責任を転売後、最低2年間負わなければいけないこととなっています。

契約不適合責任
契約不適合責任とは、契約の目的と異なるものを売ったときに買主から修繕や損害賠償、契約解除等を請求される可能性のある売主責任のことです。

個人の売主であれば、買主が了解すれば契約不適合責任は免責することもできますが、不動産会社が売主となる場合、法律上、契約不適合責任は免責できないことになっています。

そのため、不動産会社は転売するにあたり、契約不適合責任を問われないようにするためにしっかりと修繕しなければいけないのです。

逆にいうと、不動産会社は最初から修繕するつもりで購入するため、買い取る時点では物件の不具合をあまり気にしません。

不具合があっても、自分たちでしっかりと修繕してから転売を行います。

よって、買い取る時点では売主の契約不適合責任は免責した形で買い取ってくれます。

買取では、売主が契約不適合責任を免責できることが一つのメリットとされています。

売主が契約不適合責任を負わなくて済む理由は、不動産会社が最初から修繕してから転売する予定となっているからです。

不動産買取会社が買取で一定のリスクを負うため

買取では、不動産会社が売却価格の10%程度を目標利益としています。

なぜ、10%程度なのかというのは、買取では不動産会社が売れ残るリスクや契約不適合責任リスク等の一定のリスクを負うからです。

不動産会社は、仲介というビジネスもできます。

仲介は、不動産会社に売れ残るリスクや契約不適合責任リスクは発生せず、買取よりもリスクの低いビジネスです。

仲介では、不動産会社は「物件価格×3%+6万円」(物件価格が400万円超の場合)の仲介手数料を受領できます。

売主と買主の双方から仲介手数料を取れば、最大で「物件価格×6%+12万円」の報酬を得ることが可能です。

つまり、仲介は不動産会社にとってリスクの低いビジネスであるにも関わらず、物件価格の6%程度の利益を得ることができます。

一方で、買取は不動産会社にとってリスクの高いビジネスであるため、少なくとも6%以上の利益率は確保したいという希望があります。

6%よりも低い利益率でリスクの高いビジネスを行うことは、不動産会社にとって旨みがありません。

よって、買取では最低でも10%程度の利益率を確保することが、不動産会社にとって一つの目安となっているのです。

不動産買取では仲介手数料が発生しないため

不動産買取では、売主に仲介手数料は発生しません。

また、転売時も不動産会社が直接売主となることから、買主に対しても仲介手数料は発生しないことになっています。

仲介であれば受領できる最大「物件価格×6%+12万円」の報酬は、発生しないということです。

不動産会社の収益は、10%程度の転売益が全てということになります。

次に不動産買取の金額が安くなりやすい物件についてお伝えします。

不動産買取の金額が安くなりやすい物件

不動産買取の金額が安くなりやすい物件は主に以下の特徴があります。

不動産買取の金額が安くなりやすい物件

  • 築年数が古すぎる物件
  • 破損や設備不良等の状態が悪い物件
  • 間取りが周辺エリアのニーズに合っていない物件
  • 周辺環境に問題がある物件
  • 事故物件

築年数が古すぎる物件

不動産会社は契約不適合責任を負わないようにするため、買い取った後は自分たちで修繕を行います。

築年数が古すぎる物件は、不具合も多く、修繕費も膨らみがちです。

そのため、築年数が古すぎる物件の買取価格は、一般的に金額が安くなりやすいといえます。

破損や設備不良等の状態が悪い物件

破損や設備不良等の状態が悪い物件も、不動産会社が買い取った後の修繕費が増えてしまう物件です。

そのため、破損や設備不良等の状態が悪い物件も買取価格が安くなります。

間取りが周辺エリアのニーズに合っていない物件

間取りが周辺エリアのニーズに合っていない物件は、売却するのにリノベーションされることが多く、売却価格が安くなりやすいです。

ニーズに合っていない典型的な間取りとは、例えば2DKや3DKといったL(リビング)のない物件が挙げられます。

2DKや3DKといった間取りは、戦後の住宅不足の中で公団等に多く供給された間取りであり、今では新築で供給されることはほとんどありません。

リビングがないとかなり古めかしい印象を与えてしまうため、2DKや3DKはリビングを作るリノベーションがされることが多いです。

2DKなら1LDKに、3DKなら2LDKに変更されることがよくあります。

リノベーションは単純な修繕よりも多くの費用が発生することから、売却価格が安くなってしまうことが多いです。

周辺環境に問題がある物件

近隣に墓地や下水処理場等の嫌悪施設がある物件の場合、そもそも仲介で売ったときの価格が安くなります。

不動産会社が転売時に設定する売り出し価格も安くなってしまうことから、周辺環境に問題がある物件は買取価格も安くなることが多いです。

事故物件

事故物件とは、物件の過去に自殺や事故等の忌まわしい事件のあった物件のことを指します。

事故物件も、そもそも仲介で売ったときの価格が安いです。

不動産会社が転売時に設定する売り出し価格も安くなってしまうことから、事故物件の買取価格は相当に安くなります。

ここまで不動産買取の金額が安くなりやすい物件について見てきましたが、次に不動産買取の価格を上げるためにできることについて見ていきましょう。

不動産買取の価格を上げるためにできること

不動産買取の価格を上げるためにできることは主に以下の通りです。

不動産買取の価格を上げるためにできること

  • 複数の不動産買取会社に査定依頼する
  • 自分の住んでいるエリアで実績のある不動産買取会社に査定依頼する
  • 事前に不動産の売却相場を確認しておく

複数の不動産買取会社に査定依頼する

不動産買取の価格を上げるためには、複数の不動産買取会社に査定依頼することが最も重要な対策です。

仲介でも買取でも複数の不動産買取会社に査定依頼することは重要ですが、重要度は買取の方が高いといえます。

仲介の査定というのは、あくまでも売却予想価格の算出です。

必ずその価格で売れることを保証するものではないことから、いたずらに多くの会社を比較してみても、あまり意味はありません。

仲介で複数社に査定を依頼することは、査定価格の妥当性を検証できる程度の意味に過ぎないといえます。

一方で、買取の査定は、売却価格そのものです。

必ずその価格で売れることを意味する価格であることから、複数社に依頼して高い査定価格を出してくれる会社を探すことに大きな意味があります。

買取で複数社に査定を依頼することは、売却活動そのものです。

高く買ってくれる不動産会社を探せるのは査定のタイミングしかないため、買取では是非とも複数社に査定を依頼すべきといえます。

自分の住んでいるエリアで実績のある不動産買取会社に査定依頼する

買取は、対象物件のあるエリアで実績のある不動産買取会社に査定依頼することが適切です。

理由としては、不動産会社は相場に精通しているエリアでないと思い切って高い査定価格を提示できないからです。

買取では、不動産会社に売れ残りリスクというビジネス上のリスクがあります。

相場に精通していない不動産会社は売れ残りリスクを嫌がり、保守的に価格を査定してしまう傾向があります。

一方で、相場に精通している会社であれば、自信を持って価格を査定することができます。

ギリギリのラインを攻めることができることから、価格も高く提示しやすいのです。

主要エリアの不動産買取事例については、以下の記事で詳しく解説しています。

事前に不動産の売却相場を確認しておく

事前に不動産の売却相場を確認しておくことは、安過ぎない価格で売るための防衛策です。

買取の相場は、標準的な物件で仲介の価格の7〜8割程度となります。

仲介の価格相場は、国土交通省指定の不動産流通機構が運営している「レインズ マーケット インフォメーション」というサイトで調べることができます。

地域や最寄り駅、面積、間取り等を自分の物件と同じものを選択していくと、類似の物件の事例一覧を見ることができるシステムです。

買取の査定を依頼する際に、一度試してみることをおすすめします。

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まとめ

不動産買取が安い理由について解説してきました。

不動産買取は、転売を目的とした不動産会社に下取り価格で売る売却方法のことです。

買取価格は、不動産会社が利益や修繕費を確保する必要があることから安くなっています。

買取を利用する際の参考にして頂ければと思います。

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